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東田直樹さん講演会

 

 今日、東田直樹さんの講演会に行ってきました。今日の演題と同じ『自閉症の僕が跳びはねる理由』が20ヶ国以上で翻訳出版され、日本でもベストセラーになりました。自閉症と診断され、会話ができない東田さんが、どのように講演されるのか?そして、ずっと成長を見守って来られたお母さんは、どのような話をされるのか?とても楽しみにして、会場へ行きました。

 450人分のチケットは、申込み受付当日に満員となったそうで、幸運にも参加する機会をいただいたことに感謝です。この辺の講演会では異例の、別室での中継も行われ、たくさんの方が並んでいました。また、駐車場が狭い会場まで、市役所からバスも出されていました。

 講演は、檀上のスライドに内容が映し出され、東田さんが読む形でした。東田さん本人が書かれた文章ですが、長文を読むのは困難で、言葉にはならず、短い擬音の繰り返しのような感じです。ワンセンテンス読む?発声するたびに、隣席のお母さんが肯きます。私には全く理解できない声でしたが、きっとお母さんには伝わっているのでしょう。

 文章は、紙に書いた26文字のアルファベットを指でさし、ローマ字打ちで綴っていくのだそうです。仮名は50音なので、アルファベットのほうが文字数が少なく、探しやすいのだとか。このポインテイングにたどりつくまで、お母さんは、フラッシュカードを作り、言葉の興味を伸ばしたり、抱っこ法で気持ちに寄り添ったり、筆談、指筆談とさまざまな工夫と努力を重ねてこられました。気の遠くなるような行為の積み重ねだったでしょう。

 『奇声をあげ、跳びはね、人の言うこともきかない僕を見て、このような文章を書くことを信じられないという人もいる』と話していましたが、自閉症の方は、言葉で表現できないだけで、豊かな表現力や想像力を持っていることを学びました。ご両親は、テストや観察結果だけではわからない東田さんの知性に気がつき、お母さんは教科書をすべて音読するなどして支えます。我が子の可能性をひたすら信じたご両親の存在が、東田さんを育んだのです。東田さんも、『問題の解き方を教えてくれ、僕の知識欲を満たしてくれた。それは誰にもまねできないことだったと思う。』と語っていました。

 『跳びはねることは、周りから見れば哀しい行動に見えるだろう。しかし、本当の哀しみは僕らしさを拒絶され、普通の人に近づくことだけ要求される社会の価値観にさらされること。』と話されました。

 お母さんの講演の結びは『希望  自分のことを大好きだと言ってくれる人がいる。かけがえのない人間だと思ってくれる人がいる。希望というのは、将来の夢や目標だと思っている人がいるけれど、それだけではない。明日の自分を待っていてくれる人がいる。そう思えることが希望のない人の「希望」になる。』という東田さんの詩でした。 

 質疑応答にも、ポインテイングを使って答えていましたが、その場で考えたとは思えない、深く的確な答えでした。清々しくて晴れやかな東田さん親子、素晴らしい時間でした。

 

 

 素晴らしい講演会を聞いて帰宅したら、黒豆がこんな格好で寝てました。

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 相変わらず、アクロバティックな黒豆さんです!